第2章 工藤邸へ
沖「知識だけがあって、何が安全で、何が危険か…何が命取りになるか、分かっていないようですね?」
コ「昴さん、」
沖「怒っているわけではない。ただし、危機感は持っていただく必要があります。
…お互いのために。」
『はい…』
沖矢さんは優しい表情なのに、ピリッとした空気が流れる。
沖「基本的に、貴方の持つ知識は我々の前以外では知らないものとしていただけますか?」
『知らない…?』
沖「はい。簡単に言うと、我々以外には話さないでください。」
『わかりました。』
そうか、私は…。
彼らの、そして周りの大切な人たちの生命を脅かす存在なんだ。
自分の考えが甘かったことを知る。
(夢だけど…)
正直、これは夢だと何度も言い聞かせなければ、夢なのか現実なのか分からなくなりそうだった。
沖「すみません、強く言い過ぎました。
そんな顔をさせたいわけではありません。」
黙り込んだ私を心配してくれる沖矢さんに、笑いかける。
『いえ、大丈夫です。私が甘かった…』
コ「そうだ、咲さん。連絡先交換しよう?」
重くなる空気を壊すように、コナンくんがスマホを取り出した。
3人で連絡先を交換する。
コナンくんと沖矢さんの連絡先を登録すると、なんだか心強くなった。
いつでも連絡していい、と言われ
心配してくれていることと、
要注意人物として見られていること。
正直どちらもあると思ったけど、ここは素直に甘えようと思った。