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【名探偵コナン】 ある意味、それは。現実逃避。

第2章 工藤邸へ







沖「敵ではない、という証拠は?」


『証拠……、逆にどうしたら、信じてくれますか…?』


沖「…っ、くっ」


『え、なに…っ』



コ「昴さん、咲さんをいじめるのはやめてくれよ。」


『??』


急に笑い出した沖矢さんをコナンくんが咎める。


コ「咲さんごめん。そんなに泣きそうな顔しないで。」



心配そうに見つめてくるコナンくん。
私は今にも泣きそうになっている自分に気が付いた。


『ご、ごめんなさい…っ』


夢の中だけど。
夢なのに。

本当は心細くて。


もともと楽観的とはいえ、
コナンくんが信じてくれるかどうか、心配で仕方なかったんだ。


沖「すみません、意地悪をするつもりはなかったんですが…」


笑ったくせに…と少し思ったけど、
私は弱々しく笑うと、ゆっくりと腰を下ろした。



沖「貴方の言う事を丸っきり信用するのは難しい。」


『……はい…』



確かにそれはそうだろう。
逆に私が誰かにこんなこと打ち明けられても、そうなんだとすぐに納得できる話ではない。


ましてや、私は会ったばかりの赤の他人。
信用なんてされるわけがなかった。


『ごめんなさい…』

膝の上で手を握りしめる。
そうでもしないと、本当に泣いてしまいそうだったから。



沖「大丈夫ですよ。」


なにが?
と目線を上げる。



沖「貴方の話は信じ難い。しかし、貴方個人は信用に足る人物のようだ。」


コ「ああ。俺もそう思うよ。」



『え…』



てっきり、もう信じてもらえないものだと思っていた。
何て言われたのか、すぐには理解できなくて。

2人の顔を交互に見比べる。




『し…っ信じてくれるんですか…!』



コ「こんな分かりやすい人なかなかいないよ。」


沖「人を見る目はあるつもりですし。」


コ「ってうわぁ!咲さん、泣かないで!」


『ご、っごめ…っ』


信じてくれたことが分かった瞬間。
2人に受け入れられたことが嬉しくて。
思わずほっとして涙が溢れた。


コ「そもそも俺は昨日、信じるって言っただろ!」


顔を覗き込んでくる困り顔のコナンくん。
私はもう一度謝ると、涙を拭いた。


『ありがとう…っ』




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