第2章 工藤邸へ
コ「この世界は咲さんの夢の中の世界だ、って言ってたよね?」
『うん…』
コ「ここは咲さんの現実の世界とは違って…だけど咲さんはこの世界のことを物語として知ってるんだよね?」
『うん』
昨日話した内容を確認するようにゆっくり話すコナンくん。
コ「だから、僕が……俺が工藤新一であることも知ってる、と。」
『そうだよ。』
じゃあ…とコナンくんが沖矢さんを見る。
コ「この人のことも、知ってる?」
空気が若干張り詰めたのが分かった。
コナンくんは、私を試している。
『…知ってるよ。沖矢昴…ううん、赤井秀一さんだよね?』
コナンくんと沖矢さんが驚いた顔をする。
信じてもらうために、私はいま何でも話すつもりだ。
沖「なるほど…これは驚いた。」
私を見る沖矢さんは、事前にコナンくんから私のことを聞いていたのだろう。
沖「調べたところ、貴方はごく普通の方のようでしたが…」
『普通の人です。
夢から…覚めないだけで。」
自分で言ったのに、その言葉に不安が溢れた。
コ「咲さん、…あなたは、敵ではないよね?」
『敵、って…!そんなわけないよ!』
コナンくんの言葉を慌てて否定する。
勢いのあまり立ち上がった私に応えたのは、コナンくんではなくて沖矢さんだった。