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【とうらぶ】我が家の燭さにが現世で出会ったら

第6章 私の心の行く先は



「...この子、ですね。ちょっと距離があったのではっきり確認は出来てないですが間違いないです。」
「ああ...」

長船さんが頭を抱えて項垂れた。これはどういう意味なのか…知られたくなかったのかな...。もう私の中には不安と絶望しかなかった。だけど、受け入れなければならない。泣きそうになるのを堪えながら何か言わないとと顔を上げると彼が神妙な面持ちで私を見ていた。私の動きを確認し、意を決したのか慎重に言葉を紡ぐ。

「ああもう...どこから説明しようかな...驚かないで聞いてね」
「は、はい」
「まずね」

「そこに写っている2人は恋人同士だよ」

...は?

何を言っているんだ、だって2人とも女の子ではないのか?いやいや今なら同性同士の結婚も認められ始めているというし全然おかしいことではないんだが。さらに長船さんの爆撃は続く。

「それでね、僕と一緒にいたっていうこの子は男の子だよ」

目が飛び出るかと思った。
えっ嘘でしょこんな可愛い子が男の子!?!?

「...てことは長船さんは男の子が好き...?」
「真面目に聞いてくれるかな?」
「あっはい」

なんだ今の顔、いや目は。一瞬だったけどめちゃくちゃ怖かった。私は別にふざけたつもりはなくただ思った事が口から出てしまって......いや、それが悪かったんだな、すみません、はい。長船さんはめちゃくちゃ優しいけれど怒らせたらいけないタイプなのかも知れない。気をつけよう。

「話を戻すよ?...確かに君達が見たのは僕と彼で間違いないよ。あの日は彼が彼女に誕生日プレゼントを買いたいから付き合ってほしいって頼まれたんだ」
「......なんと...」

なんとややこしい話だろうか。長船さんと一緒にいた彼は可愛い服を着るのが好きなようで...彼女もそんな彼を好いているのだという。彼女は彼女でボーイッシュな服が好き...という見た目が真逆な2人はそれはラブラブなんだそうだ。
見た目は可愛らしいが内面はちゃんと男の子でしっかりとしているらしく...長船さんもたまに窘められるらしい。一体どんな子なんだ...。
話を纏めると、私と先輩が盛大に勘違いをして2人で大騒ぎをしていただけだったのだ。ああなんだよもう...彼らには罪はないが本当に紛らわしいんだよ...。

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