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【とうらぶ】我が家の燭さにが現世で出会ったら

第4章 覚悟を決めて伸ばした手は



「あれ、どうしたの?」
「...せんぱい」
「えっえっちょっと??何かあったの?」

救世主か。
めちゃくちゃ良いタイミングで現れた先輩は私の様子を見て酷く驚いたようだったがすぐに隣に来て背中に腕を回すと優しく撫でてくれた。もうなんだ、色々あって泣きそうだ。こんな状況でまともな説明などできる訳もなく幸い先輩は私の長船さんとの事を唯一知る人だしこの際構わないと、私は長船さんとのやり取りのトークを見せることにした。

「え、お誘いじゃない?!どうして...」
「わからないです」

思っていた以上に声が震えた。泣いてはない、まだ泣いてはいないけどもう既に泣いている、心が。その間も長船さんからのメッセージが来る。

“当たり前だよ、その為に火曜日に休みも取ったんだ“
“だめ、かな“

火曜日って...私のお休みの日じゃん...ほんとになんで?長船さん週休だよね?わざわざお休み取ったの?なんで?もう頭の中は混乱しっぱなしだった。だめかなって、もう貴方という人は...!
するとそれまで、黙り込んで私の背中を撫でながら長船さんのメッセージを一緒に見てくれていた先輩が口を開いた。

「まって、大丈夫だから、まずは落ち着いて」
「うぅ」

深呼吸!と大きな声で言われて思わず背筋がピッと伸びる。はい吸って~吐いて~という先輩の声に釣られ深呼吸をする。
体温が少し上がった気がする。お陰でちょっと落ち着く事ができた、と思う。変に力が入っていたのか握りしめていた左手の手のひらが爪の痕でやばい事になっている。はは、何やってんだ、私は。その様子に気づいたのか、先輩は私の正面に回るとじっと目を見てこう言った。

「ちゃんと確かめよう!」
「え、なにを、です?」
「長船さんに本当に恋人が出来たかよ!」
「でも、先輩も見たじゃたいですか、この間...」
「見ただけじゃない!!!!」
「!?」

ガシッと両肩を掴まれてびびる。この人こんなに力あったっけ?というくらいに強く。私を見つめる目は誰よりも必死だった。

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