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小さなお伽噺【BASARA短編集】

第4章 ■遣らずの雨(佐助/微裏/現代)■


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・ストーカー佐助×女子大生
・本番無し
・がっつりではないですが破廉恥注意

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『おかえり、ちゃん』



玄関の鍵を開けて家の中に入るや否や、けたたましく鳴り響いたスマホの着信音。そしてディスプレイに表示される非通知の文字。
「あぁまたか」と思いながら通話ボタンを押せば案の定、男性にしては少し高めの嬉々とした声で「おかえり」と告げられた。



『今日はいつもより遅かったね?もうっ、寄り道しちゃダメだってこの前俺様言ったばかりでしょー?』

「…………」

『最近は不審者の目撃情報が多いし、ちゃんの身に何かあったらと思うと俺様不安で夜も眠れないんだからさ。あっ、それと明日は雨が降るみたいだから傘をーーーー』



こちらが黙っていても次々にあれやこれやと語り出す電話の相手。
それは私の友人でも無ければ彼氏でも何でもなく……全く知らない、赤の他人。
所謂ストーカーでした。

半年ほど前から朝昼晩と掛かり続けているストーカーからの電話。
初めは恐怖のあまり泣き出しそうになり、すぐさま着信拒否をしたのだが……

拒否する度に何度も何度も何度も携帯を変えて電話を掛けてくる相手に恐怖を通り越して怒りを覚え、ついにはこうして電話に出て相手の通話料をひたすら増やす作戦に出たのだった。



「(…………本当、よく飽きないなぁ……)」



私はどこにでもいる普通の大学生だ。
そこまでずば抜けて容姿が良いわけでもないのに、何故半年以上も同じ相手からストーカーをされているのだろうか?

そう思いながら電源ボタンを押し、ある程度時間が経ったため通話を強制的にぶち切った。

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