第3章 ◇給料三倍、疲労は……◇
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・「Chapter5」番外編
・佐助視点
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「……さーて、ちゃんのために頑張りますかっと!!」
ちゃんの家に来て一週間。
俺様達も大分この世界での暮らしに慣れてきて、今じゃちゃん無しでも炊事洗濯お手の物!!
ボタン一つでご飯が炊き上がったり、薪を焼べなくてもお湯が沸いたりするだなんて俺様感激……ってちょっと、今俺様のことを「オカン」って思ったでしょ。
俺様はオカンじゃなくて、あくまでも居候として最低限の礼儀を弁えてるだけだから!!
そこ、勘違いしないように!!
って話が逸れちゃった。
とにかく、今日はちゃんがお仕事みたいだから俺様が朝から張り切ってお弁当を作ろうとしちゃってるわけ。
そこまでは良かったんだけど……
「佐助ぇ!!殿のため、俺にも手伝わせてはくれぬだろうか!!」
俺様が台所にたったのを気配で察したのか、どたどたと元気すぎる足音を立てながら旦那がやってきた。
「あー……旦那、駄目だってば。ちゃんにとって旦那は居候の身だけれど、俺様からしたら旦那は旦那なんだから」
「っ、し……しかし……俺はまだ、殿に何も返せていないのだ……!!頼む、佐助!!!!」
あちゃー、まーた始まっちゃった。
最近台所に立ち始めた俺様を見て、旦那も何故か「自分も作ってみたい!!」って思っちゃったみたいでさ……こんな風に「作らせてくれー!!」って言ってくるんだよね。
まあ、竜の旦那だって料理するみたいだし?
旦那も旦那で簡単なものくらいなら出来なくはないし?
そこを咎める人は少ないと思うけど、さ……
料理中につい燃え上がっちゃって、絡繰を壊しちゃった!……なーんてことになったら大変じゃない?
そこが心配なんだよねー、俺様は。