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人生は常に事件に満ちている【コナン】

第5章 沖矢昴という男 【安室】


「さすがだな…伊達に何年も組んじゃいないか…」
その口元には、笑み。〝沖矢昴〟の声ではあるが、その口調はまさしく〝彼〟のものだった。彼がピと首元のものを触り、スッと十華を見なおした。
「どうやって気づいた?」
その問いは、彼本来の声で紡がれた。
「まずは雰囲気とか空気、それから、左手のトリガー跡」
「ホー…」
感心する様に沖矢昴、もとい、赤井秀一が自分の左手を見ながら息をもらす。そのまま十華は続けた。
「最後に、コーヒー」
「コーヒー?」
ここで声を上げたのは、傍観していたコナンだった。そう言えばこの子の前でべらべらと話してしまっているが、大丈夫だっただろうか。否、赤井も何も言わないし彼自身平然としているということは、元より沖矢昴が赤井秀一であることを知っていたのだろう。
「コーヒーの味が、秀一のだから」
「…なるほどな」
さすがの彼もそこまで気が回らなかったらしい。腕を組んでふっと笑みをこぼし、「まぁ、そういうことだ…」と言った。
「何がそういうことだ、よ。ちゃんと説明してよね。コナンくんも」
「うぇっ!?う、うん…」
突然振られて驚いたコナンと、面白そうに小さく笑みを浮かべる赤いから、十華は事の〝筋書き〟を語られたのであった。
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