第4章 悪いやつ
-阿笠邸-
「で、なんであいつと一緒にいるんだよ!」
『あいつって、透くんのこと?』
「そうだよ!あいつは……俺をこんな姿にした奴らの仲間なんだぞ!」
『透くんが…?……何かの間違いでしょ?あの正義感の強い彼が悪いことなんて……』
「外面がいいだけだろ?ったく騙されて……」
『……騙されてないわよ、透くんは透くんよ。きっと新ちゃんの早とちりよ。これ以上悪く言うなら新ちゃんでも許さない。』
「ま、まぁまぁみなとくんも新一も、落ち着いて。」
安室を巡って言い争いが始まり、阿笠博士が仲介に入った。
『彼とは子供の頃からの付き合いなの。悪いことをする人じゃない。』
「まさか、姉さん、あいつのこと……」
『そのまさかだったら…悪い?たとえ彼が新ちゃんの言う悪いやつでも、私に危害は加えない。寧ろ、新ちゃんの体を小さくした薬について何か手がかりを掴めるかもしれないじゃない。』
「わかったよ…その代わり、何かあったらすぐ連絡しろよ!」
阿笠博士は2人の様子をただただ、あわあわと見守るしかなかった。