第4章 悪いやつ
身支度を整え、家を出た2人は他愛もない話をしながら歩いていた。
「で、どこの喫茶店だ?」
『喫茶ポアロって知ってる?』
「知ってるもなにも…バイト先だ。』
『え?じゃあ小五郎おじ様知ってるんじゃない?昨日は知らないような反応してたじゃない!』
「俺は彼の一番弟子さ。あそこでそれを言うより詳しく聞かせてほしいと頼んだ方がみなとを誘い込めると思ってな。」
からかうように笑う安室。
『もー!なにそれー』
「俺を見て何も思い出さないからちょっと意地悪しただけだよ。ほら、着いたぞ。」
そうこうしていると喫茶ポアロに到着した。
カランコロン
「いらっしゃいませー!って安室さんか。」
「こんにちは、梓さん。一応、お客様もお連れしてますよ?」
そう言ってみなとの手を引いて店内へ足を進めた。
「キャー!!もしかして、彼女ですか!?」
「えぇ、ま『友人です!』……チッ」
彼女かとの問いかけに肯定しようとした安室にみなとが割って入った。
「みなと姉さん!?なんで、安室さんと!?」
『あ、コナンくん、あー、お友達。』
「そ、そうなんだ…」
『どうしたの?』
様子のおかしいコナンを心配するみなとだが、なんでもない、とはぐらかされてしまった。
それからしばらくはコナンが最近乗ったというミステリートレインの話をしたり、近況を聞いていたが、コナンが妙にそわそわしているため、一度阿笠博士の家に移動することとなった。