第4章 悪いやつ
「安室って聞こえたけど……まさかみなとさん、彼と知り合いなの…?」
言い合いの末、みなとが帰ると背後から灰原がコナンに声をかける。
「い、いや、そんな大した知り合いじゃねーよ。」
「嘘ね、そうでなければあなたがあんなに声を荒げることなんてないもの。」
要らぬ心配をかけまいと誤魔化そうとするもすぐに見透かされる。
「で、でも姉さんは組織とは…!」
「わかってる。彼女からはそんな匂い、しなかったもの。お姉ちゃんからでさえ最後にはしていた程だったのに……探偵の彼と組織関係で知り合いなら、もっと早くに私が気付いていない筈はないわ。」
そう言うと灰原は俯いて自室に駆け戻った。
「彼女も彼女なりにみなとくんのことが心配なんじゃ。本当のお姉さんのように感じていたのかもしれん。」
「あぁ…でもあの様子じゃ姉さんのことを疑ってる様子はなさそうだな。」
そう言いながらもコナンはみなとの身の安全をただただ祈るしかできないことにもどかしさを感じていた。