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〘上杉謙信R18〙色褪せぬ愛を紡ごう

第2章 ✼藤✼



§ 叶多Side §


雷が体を包み込む一瞬、男の姿が見えた。
結の名前を呼んでいた。
結も謙信様と叫んでいた。

聞かなくても関係性が分かった。


(俺はこの二人を引き裂こうとしている悪役ってところか)


完全に嫌われただろうな…って考えながら目を閉じて
開けた先にあったのは本能寺跡と書かれた石碑。

隣に結は居なかった。


「他の所にタイムスリップしてんのかな…」


沢山悩んで決めた。結を現代に連れて帰ろうって。
だからわざと嘘を吐いた。
本当は今日なのに、明日ワームホールが出ると嘘を吐いて強引に連れ戻した。


「結…」


嫌われても良いよ。
恨んだっていい。

俺が結を裏切って現代に返したのは俺だから…。



だって、結には幸せになって欲しいから。



俺とじゃなくていい。
平和な所で誰かと笑ってくれてたらそれでいい。

それなのに変だ。
俺は自分がした事を少し後悔した。


「謙信様!」


そう叫ぶ結の声と顔が頭から離れなくて
もう結が心の底から笑わないような気がして

少し…後悔した。



「ごめん、結…幸せになって」






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