第2章 ✼藤✼
その後、結から連絡は無かった。
傍から見れば愛する二人を引き剥がしておいて、その後は何もしない最低野郎かもしれない。
でも、今結に会ったら今よりもっと苦しめる事になる。
俺が願ったのは結の幸せ。
今は苦しくても、やがて時間がそれを思い出にしてくれる。
その時に結を笑わせてくれる誰かがそこに居ればいいって……。
「会えなかったらそれで諦める。これで悪あがきは終わり」
自分に言い聞かせながらネットを立ち上げる。
だけど会えたところで何をする計画を立てている訳でもない。
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『春日山城跡』