第14章 ✼黒種草✼
「はい、あげる!」
もう一人の男の子が差し出してきたのは、ここにある花で作ってくれた色とりどりの花束。
「ありがとう……」
「ねえ、どの色が好き?」
「私は……これかな」
どれも素敵だけど、目に留まったのは黄色の花。
「これね、全部同じ花なんだよ。黄色は”ありのまま”」
「ありのまま?」
「そう。で、紫が元気、桃色は希望!あとは……えっと、何だったかな」
「よく知ってるね」
「うん!母様が教えてくれたの!ヒナギクってお花なんだって」
戦国時代は本当に花が沢山あるんだな。
こんなことなら、ちゃんと花言葉とか勉強してればよかった。
「あ、そろそろ行かなきゃ!」
「またね」
「うん!あ、あのね。黄色のヒナギク、とっても似合ってる!みんなありのままの——が大好きだからそんなに頑張らなくていいんだよ」
「え……」
「僕もそんな——が好き!!心配しなくてもいいんだよ」
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