第14章 ✼黒種草✼
「あっ、あんっ、ああっ」
自分の口から出るのは普段よりも大きな嬌声。
ここが天守で良かったと心の底から思った。
「ちょうだいっ、けん、し、さまあっ……」
我慢しないで早く私の中に全部出して。全部欲しい。
激しい律動の中で謙信様が乱れているお顔を思い浮かべると、既に締まっている中が更に狭くなった。
「こら、結っ……」
「やだ欲しいっ……」
更に謙信様にしがみついて、肌をぴったりとくっつける。
もう夫婦なんだから、どれだけ愛し合っても問題ない。
それこそ、子供ができたって。
「好きっ……好きです謙信様……!」
こんなに乱れて、傍から見れば節操がないと思われるかもしれないけれど、私がこんなに欲しいのも、感じるのも、謙信様だけ。
この体の全ては、謙信様のもの。
「結、もう……!」
「はいっ……」
苦しげな声が聞こえて、体を強く抱きしめられる。
謙信様の体が小さく震えて、白濁が注ぎ込まれる。
「んっ……」
達したままの体は、今にも崩れ落ちそうだった。
珍しく、既に息が上がっている謙信様の耳にはお揃いのピアスが揺れる。
反対側の耳を甘噛みすると、謙信様の口から小さな声が漏れた。
「すき。大好き。愛してます、謙信様」
「今日は随分と甘えただな?」
「嫌ですか?」
「まさか。どんなお前でも愛している」
「ふふっ」
「今日はまだ寝かせてやれない。ほら、水を飲め」
水を取ろうと、謙信様が自身を引き抜こうとする。
「あっ……待って」
「どうした?」
「……」
「結?やはり無理をさせたか?」
「あ、その……零したくない……」
お腹に手を当てて、ようやく絞り出した言葉を聞いた謙信様は一瞬固まってから、額に口付けを落とした。
「思う存分注いでやる」