第14章 ✼黒種草✼
「っ……」
自分でも体がどうなっているのか分からない。
ただただ快感だけが体を支配して、どろどろに溶けてしまいそうだった。
「気持ちいいか?結」
声も出なくて、頭だけを上下に動かすと、謙信様は満足そうに笑った。
「やはり、いいな。お前がこうして俺の手でおかしくなっていくのを見るのは」
前は私が離れたくないと我儘を言ったけれど、きっとその時だって謙信様も我慢していたんだろう。
私を気遣ってくれていたのは分かるし、散々心配もかけてしまった。
「……もっとおかしくしてください」
それこそ、出会った時のように。
私たちはあまりに色んなことがありすぎて、お互いに気を遣いすぎているような気がしていた。
勿論一番の要因は私たちが離れていた期間が長すぎて、その相手すら隣に居ない状況だったからなのだけど。
「ああ。その前に、もっと顔をよく見せてくれ」
上気した頬には一粒の汗が出ている。
ずっと待ちわびていたそれが触れるだけで、体がきゅんと疼く。
「謙信様、はやく」
「ほら、おいで」
私の体を抱き上げると、そのまま下から体を突かれた。
「ああんっ!!あっ、やっ……!ま、って」
「待たない」
自分から早く、と懇願したのにも関わらず、挿れただけで達してしまった。
謙信様が私の中にいる、と私のすべてが感じて、喜んでいるのが分かる。
自分だけではどうにもならない程の快感を与えられて、それでもなおもっと欲しいと思っている自分がいる。
「ずっと達しているな。……っく」
「けん、しんさま、の、おっき……!」
もう何も考えられないはずなのに、中にある謙信様自身が質量を増しているのだけは感じ取れて、どくどくと波打っているのもわかる。