第14章 ✼黒種草✼
「んっ……んふぅ…」
「はっ……っ…」
先ほどとは違う、噛みつくような口づけ。
(息、出来ない……)
唇が離れると、膝から力が抜けて崩れ落ちそうになる。
そんな私を支えながら、謙信様はゆっくりと褥に倒れこんだ。
「俺も今日は手加減ができん。許せ、結」
「構いません……」
我慢なんてしなくていいから、沢山謙信様を感じさせてほしい。
前に抱かれたときは、壊れ物を扱うかのような優しい手つきだった。そんな抱き方も好きだけど、もっと謙信様のしたいように愛してほしい。
「結……」
あっという間に着物をはがされ、一糸纏わぬ姿になる。
「待って……謙信様のは私が脱がせます」
着物を肩から滑らせると、鍛え上げられた逞しい体が目に入った。
暫くの間戦に出ていなかったからか、その体には大きな切り傷以外は傷跡がない。
謙信様はお強いから大きなけがをして来ることは無いけれど、それでも日々の鍛錬などで何かしら小さなかすり傷がついていることがよくあるのに。
思わず手を伸ばして肌に触れると、謙信様が不思議な顔をした。
「結?」
「ずっとこのままでいればいいのに……」
言った後でハッとする。
謙信様が戦に出ないといけない事くらいわかっていた筈なのに。
「違っ……ごめんなさいっ」
「構わん。だからそんな顔をするな」
広い胸に頭を引き寄せられる。
……大丈夫。くっついた胸からちゃんと鼓動は聞こえている。体越しに心臓に触れるように口づける。
「結」
返事をする前に、謙信様の膝の上に乗せられて、胸を愛撫される。
「ああっ…ん……」
頂を甘噛みされて、我慢できなくなった声が漏れる。
もう一つの頂を指で押し潰しながら、空いている方の手で腰を引き寄せられた。
まるで赤ん坊がするようにひたすらしゃぶられ、吸われ、胸だけで達してしまいそうになる。
「腰を上げろ、結」
「……ぁ?!」
胸への愛撫に必死になっていると、突然秘部に謙信様の指が入れられ、私は体を弓なりにしならせて達してしまった。
「入れただけで達したのか?今日は随分と感じているな」