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〘上杉謙信R18〙色褪せぬ愛を紡ごう

第2章 ✼藤✼



§ 謙信Side §


「謙信様!」


城門で結を待っていた俺の胸に暖かな感触が訪れ、胸がすくような結の香りが鼻をくすぐる。


「お会いできて嬉しいです、謙信様」


「ああ、俺もだ」


城の中に入りながら、今日の予定を立てる。
会える時間が減った分、一緒に居る時間が俺にとってかけがえのないものになっていた。


「今日は何処に行きましょうか?」


「お前も疲れただろうから暫くは俺の自室で休め。信玄から上手いと評判の甘味処を聞いたから後で行こう」


「はい」


自室に入ると、結は俺の隣にちょこんと座る。


「結」


「何ですか?けん…んっ…」


振り向いた結の頭を引き寄せて唇を掠め取ると、結は白い肌をたちまち赤くさせた。


「我慢していたのだ。これくらい許せ」


そっと肌に触れると、その手を俺よりも一回り小さな手が包み込む。


「……心臓が持ちません」


「口付けなど何度もしているだろう」


「それでもです」


結は赤い頬をそのままに、ふにゃりと笑う。


──それは多分、私が謙信様を好きすぎるからだと思います


「……っ」


(こっちの心臓も持たんな)


恥ずかしがりながらも、素直に気持ちを伝えてくれる結に愛おしさが募る。


「そのような可愛い事を言うな。止められなくなるぞ」


華奢な肩を優しく押し倒すと、少しだけ乱れた髪が畳の上に広がる。


「止めなくて、いい、です…謙信様に触れて欲しい」


「結……」


覆い被さるように二度目の口付けを落とし、俺達は肌を重ね合わせた……。
この後訪れる悲劇など、微塵も感じずに。

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