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月下香の蛇

第2章 演練と狐


「にしても、お綺麗ですねえ。
お若いように見えますけれど、
貴女のような方が審神者だと、刀剣男士も喜ぶでしょう?」
男は握っていた私の手を引き、
私は男に腰を抱かれる。
「しかし、男所帯の中に女性一人というのも
何かと悩みがおありなのでは?」
男は口を動かしたまま、
私の腰を撫でる手を徐々に下に向けて進めていく。
「おい!」
バッと男が離れたかと思うと
男と私を隔てるように和泉守が立っていた。
腕を組んで、ご立腹らしい。
「あるじさま」
今剣が私の顔を覗き込む。
「ものには限度というものがあるんだよ」
歌仙の棘のある声が男に向けられると同時に演練の開始の声がかかった。
「誉の働き、期待してるから」
一言告げると
彼らは演練の為に場についた。
男の方の刀剣男士たちも、おろおろとした様子だったが
少し遅れて、場につく。

演練はあっという間に終わった。

男士たちは男の行動に変なスイッチが入ったらしく、
相手の男士たちには悪いが瞬殺であった。
「小狐丸に誉を取られてしまったな、今剣よ」
「ぼくもがんばったんですよー?」
一番に私の元へ戻ってきた岩融と今剣。
堀川は演練の相手の男士たちと話をしている。
きっと怪我をさせた事を謝っているのであろう。
和泉守と歌仙は相変わらず男に鋭い視線を投げかけていて。
誉を取った小狐丸だけが静かに私の横に佇んでいた。

その他の部隊と2戦演練をおこなったが、
全てこちらの勝利。
誉を取ったのはやはり小狐丸だった。
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