第4章 審神者のキモチ
皆より、少し早く起きる朝。
加州「おはよう、燭台切」(ニコッ)
燭台切「やぁ。今日も早いね、加州君」
加州「それはお互い様、でしょ?」
すでに身支度を終えて、食事の支度をしている燭台切を眺めて思う。
(・・ほんと、何時に起きてるんだろ)
まだ朝日すら登りきらない薄暗い厨房から鍋に少量の水を沸かせる。
燭台切「今日も、持っていくのかい?」
加州「まぁね。きっとまた遅くまで仕事してたと思うし」
へなちょこに見えて、意外にも仕事熱心なんだよなぁ~。うちの主は。
最初の頃は、気がつくと食事も忘れて本丸で行き倒れていたこともあったっけ。
慌てて抱き起こしたらお腹が減って動けないって・・。
加州「・・ふふっ、ほんと仕方ない主だよね」(クスクス)
燭台切「・・・?」
加州「・・・うん、このくらいで大丈夫かな」
桶に入った手ぬぐいが温かそうに湯気を上げている。
加州「じゃあ、燭台切。俺先に行くから」
燭台切「あ、主に今日の内番がまだ出てないって伝えておいてくれるかな?」
加州「りょーかいっ!」
タッタッタッタ・・・。
燭台切「・・まったく、嬉しそうな顔をしちゃって」
軽やかに去っていく加州の背中を見つめ、燭台切が優しく微笑んだ。
~審神者のキモチ~
加州「あるじ~?起きてる?」
「う~ん・・・」
加州「・・・はぁ。部屋、入るよ~!」
最近、加州の声で目が覚める。
「・・・・」
ぼーっとする頭で起き上がると、視界の端で加州が樽を置いて何かをしている姿が映る。
「・・・・」
加州「・・・ほら。こっち向いて」
そしての顔を覗き込むように座り込むと、
加州が温かい手ぬぐいをの頬に添えた。
「んっ・・・」
加州「熱くない?」
優しい手付きと温かい温度で次第に頭がハッキリと目覚めだす。