第9章 大阪城攻防戦 ~ 一期一振のキモチ ~ 下
監査官『・・・上からの呼び出しだ』
『・・・え。ちょっと審神者にはプライバシーってものが無いんですか?』
私いまお布団の中なのですが。
監査官『緊急だ』
『深夜2時にレディの部屋に無遠慮で突入してくる銀髪の同僚に文句を言える機関が必要だわ』(真顔)
監査官『・・俺のようなものに起こされて、光栄だろ?』
『はいはい。相変わらずだなぁ長義は』(クスクス)
審神者という役職を誇りに思っていた。
刀を振るえない私が、刀を使う。
そして人間が。
刀剣男士たちが。
戦い抜いた歴史を守るために。
『・・・これは?』
目の前に置かれた黒い鬼の面と衣。
??『それは特別な面。その面を被った刀剣男士は自我を無くし、無心で敵を討つ』
長義『・・・自我を失くすだと・・?』(ジロッ)
??『そう睨むな。一時的なものだ。面を外せば付けていた時の記憶も残りはしない』
『その面を付ける意味は・・なんですか?』
ただ敵を討つなら今までの通りで構わないはずだ。
なぜ刀剣男士の自我を失くす必要がある?
相手はそれほどまでに強大なのだろうか?
いや、違う。
??『自我を保てなくなるものへの対処だ。役目を果たしても使い物にならなくなってしまっては話にならん。それを付ければ見目も变化する、互いにやり合うには好都合だろう?』
『・・・・』
??『なお、他言は許されない』
刀剣男士が自我を崩壊させる恐れのある任務。
そしてこれは聞いたが最後、拒否も許されないのだろう。
長義『・・・おい』
『・・・・・』
長義『・・行くのか?』
『行くよ』
私がこの任務を放棄して身を隠したとしても、次の審神者にこの任務が移るだけだ。
審神者の代わりなんていくらでも居る。
『・・・・無知のままでは守れない』
憶測はすぐに確信に変わった。