第9章 大阪城攻防戦 ~ 一期一振のキモチ ~ 下
「現に私達は六度、謀反を起こし失敗しています」
ざわっ。
『謀反に失敗している。』
その言葉に刀剣男士たちは一斉に私の顔を見つめる。
戦いに見ていた彼らだからこそ、謀反という行為がどういったものかを知っている。
そしてそれがどんな結末を生むのかも--。
最初は私達は本当に普通の本丸で、純粋に審神者の任務をしていた。
『うぅ~ん・・・やっぱレベリングかなぁ~・・・』
歌仙『なにを考えているんだい?』
『次に行く池田屋の下調べをしているんだけど、どうも狭い室内で夜間なんだよね』
和泉守『だからオレは前々から短刀と脇差を重視しろって言ってただろーが。そうだろ、国広』
堀川『そうだね、兼さん!主さんは今まで力技で押し切るタイプだったからね』
『だってさぁ~・・大太刀の範囲攻撃すっごい楽なんだもん・・』
にっかり『ふふっ、僕ら刀剣も広い場所で思いっきり暴れるのが好きだからねぇ・・』
髭切『池田屋なら今回、僕らは本丸でお団子でも食べて愉快に待っていようかな』
膝丸『兄者同様、我々太刀は室内戦には不向きだからな』
大和守『・・・・・』
加州『ねぇ主!もちろん俺らは連れてってくれるんだよね?』
『うぅ~ん・・・短刀育てるまでは打刀で視察かなぁ・・』
浦島『たったいへんだぁーー!!亀吉が屋敷の屋根でシャチホコみたいになってるんだけどーーーっ!!!!』
刀剣男士の皆が大切で。
丁寧に丁寧に、確実に強くなれるように接していた。
加州『あるじ』
『加州・・どうしたの?』
加州『ちょっと・・鍛錬ついでに寄ってみただけ』(ニコッ)
不安も無く、任務で追われる日々はとても充実していて。
心の穏やかな日々が続いていた。
加州『俺、が主で良かった。主の初めての刀が俺で本当に・・良かった』
『・・私もだよ加州。どんな時でも加州・・ううん。清光がいるだけで負ける気がしないもの』(フフッ)
加州『・・』
重ねた手が温かいように、これからもずっと温かい明日が来ると。
そう思っていた。