第11章 猫とバタートースト
「と、いうわけでだ。
この通り俺は捕まらないし、捕まる事もしていない。お前らに心配されるような事はない。
まだ昼飯食べてないんだろ?午後からは俺も授業を見て回るから、途中でスタミナ切れなんて許さんからな。
分かったら早く行ってこい」
もう昼休みも半分になっている。
ただでさえヘトヘトになるのに昼食抜きでは訓練にならないかもしれない。塚内達に挨拶を済ませ食堂へと急ごうとすると相澤が一声。
「それと、芦戸」
「え、はい!?」
「……今日は美味い納豆があるとランチラッシュが言ってたぞ」
芦戸三奈
好きなもの、ダンス、納豆、オクラ
「……やった!いっぱい食べてきます!!」
相澤消太
嫌いなもの、合理性に欠けること
「ホント相澤君は素直じゃないのさ★」
高校1年生。まだまだ多感な時期
心は少しずつ成長していく
教える訳ではない
半歩先を照らしてやればいい
「自分もそう思います」
それが合理的なのだから
―――午後の終わり
「あー、1つ言っておくことがある。
お前らが放課後出歩くのは仮免終了まで禁止とする。
あの小さいの(イチ)を連れ回す気でいるとのタレコミがあってな。ウィルさんからも釘をさせとの事だ」
「ウソだろ!!!!!!」