• テキストサイズ

シュガー・クッキー【ヒロアカ】

第10章  追熟の世代




「「お疲れっす!師匠っっ!!」」


 上鳴と瀬呂が駆けよりお辞儀をすると、ベンチに座る人物の視線が5人を捉えた。


「んだぁ?お前らも自主練終わりか?
てか、その呼び方なんだよ」
 

 その人物はウェンウィルであった。
 背もたれから体を起こし大きく欠伸をすると、少し酒の薫りがした。


「飲んでたんすか?」

「ん?まぁな。
せっかくだし1回くらい大人の付き合いしとかねぇとな。
つっても、俺ばっか飲んでたけど」


 飯田がいたら「神聖なる学校で飲酒などっ!」と言い出しそうだが、教師も寮生活を余儀なくされている。 
 放課後は生徒だけのものではないのだ(因みにミッドナイトは毎日晩酌する派である)


「頑張んのも良いが明日に影響出さない程度に、お前らも早く寝ろよ?」


 お前らも?常闇が尋ねる。


「あぁ、さっきまでB組の奴らが居たんだよ。
寧人が散々しゃべるから、すっかり酔いが覚めたわ」


 んじゃあな、とウェンウィルが立ち上がろうとすると、緑谷はそれを引き止めた。
 緑谷が少し周りを気にする素振りを見せると、他の4人は気を利かせてか先に戻って行った。

 
「え、何だ、俺告白でもされんの?」

「へっ!?いやっ、あああの違いマス!断じて違いマス!」

「だったらモジモジすんなよ。んで?とりあえず座れよ」


 そう促され緑谷もベンチに腰掛けた。

 
「あ……あの教えてもらいたい事があって、アーバンビーストって」

「何だお前もか?」

「へっ?」

「寧人もさっき同じ事聞いてったぞ?」

「物間君が?あれ……でもイチ他の人には言ってないって?」

「あー……寧人の事だ、こっそり聞いてたんじゃねぇか?
まぁ、それはどうでもいいわ。
てか、今から話すのも面倒くせえし、調べ方教えてやるから自分達で調べな」


 自分達?と緑谷は首を傾げた。
 後ろの茂みをウェンウィルが指さすと、先に帰ったはずの4人がコチラを覗いていた。

「ええぇっ!?皆何してるんだよ!」

「出久が、モジモジしてたからだろ。
んな、大層な事じゃねぇし仲良く謎解きしてみな」

/ 129ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp