第9章 花いちもんめはしたくない
HAHAHAHAHAHA!
「不様な顔だねぇA組!」
「!?物間君!」
「なんかスゲぇ納得したわ俺」
砂煙が薄れるとそこには【大拳】の個性の持ち主、拳籐一佳。
ではなく、B組の独裁者もどき物間寧人がお馴染みの高笑いをしながら立っていた。
「こんな攻撃にそんな慌てるだなんて、あれぇおかしいなぁ!A組はB組より優秀な…っフ!!」
「やめんか。卑怯すぎてシャレにならんわ」
「あ、拳籐さん」
そして物間の後ろには、本物の拳籐が立ち、またたく間にお馴染みの手刀で物間を気絶させたのだった。
どこから湧いたのだろうと、緑谷が思っていると物間をその場に置いて拳籐が2人に話しかけに来る。その横にはいつの間にか抱きつくイチがいた。
「ごめんなA組。物間の奴、急に居なくなったと思ったら個性貸せって出てったもんだから、止めらんなくてさ。
悪いんだけど、まぁ、何時もの病気と思って許してやってくれよ」
自主練場は各学年ごとに分かれて2棟ずつ建つ。離れてはいるが、隣にはB組の自主練場も建っているのだ。
「あぁ、気にすんなよ。大丈夫だったしな」
「うん、そうだね。拳籐さん達も自主練?
所で急にあんな事するなんて物間君どうしたの?」
「んー、アレは一種の嫉妬かな……?」
「嫉妬?」