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シュガー・クッキー【ヒロアカ】

第5章  キャンディをどうぞ




「じゃあ、右から打つから左でうけてね」
「おぅ!」
 
「まず普通に個性なしで軽く打つよ」


―――バシッ…!


 切島はその場で受け止めた。

「次に個性ありで同じ速度で打つよ」


―――ドシッ!!


 重い音と共に切島は少し下がった。


「って、感じ。
 普通にだとやっぱり力が劣るからね。有効打にならないんだ」

「スッゲー全然受けた重さが違うぜ」

 次にイチはお茶子を手招いた。


「お茶子、個性つかって触ってみてくれる?」


「あっ、うん。……アレ?」

「体が浮かない?!お茶子ちゃん触ってるのに!?」

「触られる部分にかかる圧を押し返してるから…かな?
 もちろん凄い勢いで来られたら、さっきみたいに大きくカバーしないと駄目だけど。
 軽くなら常に意識して個性使ってるから、触ってるようで触られてないんだ」


「え、それってずっと個性使ってるって事?疲れないの?」芦戸が驚くと頭の触覚はピクピク動いた。

 それもそのはず、異型でもない限り個性を常に使うのは体力いる。


「うーん、慣れたかな。もちろん使ってないときもあるよ?」

「…足音が聞こえにくいのも個性のせいなのか??」


 一歩後ろで聞いていた轟が質問する。


「いや、アレはただの癖だよ」
「癖…?」
「あんまり音たてるの好きじゃないんだ」


 それだけ言うとイチは話を戻した。


「まっ、そんな気がするってだけだから、あってんのか分かんないんだけどね。
 だからそんな感じで最後は、自分のスピードをフルに使ったカウンターを食らって、盛大に吹っ飛んだってわけ。
 あの時少し【トンでた】からカバーすんの遅れちゃって。

 でもセメントスが後ろに壁を建ててくれてから、クッション代わりに勢い殺せたんだよね。
 今思えばウィルに乗せられまくってて悔しいけど」

 イチは悔しそうな顔をしてから、他に何にか聞きたい?と首を傾げた。

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