第3章 狩るもの狩られるもの
――― 数分前
個性創ったカメラで監視映像を他の生徒に送り見ていた八百万は動揺していた。
音声は盗聴器を峰田のもぎったモノに付け、散らばせておいたから離れていても聞きとる事が出来た。
更に異常があった時に外(B組)に知らせる為の機械は、10分前に起動した。
なのに【彼ら】の言うとおり10分以上、教師も来なければB組すら来ない。
非常事態。
相手の個性はカウンター。おまけに得体のしれない子供が1人。
力に対抗しやすく応用の効く5人を矢面に出したが突破されたら、圧倒的な戦闘力の差は埋められない。
何を創造しておけば役立つだろうか。
幼少期から沢山の情報を詰め込んできた頭をフル回転させ八百万は考えだした。
(落ち着くのよ八百万百。冷静に最善の方法を……)
情報を巡らせる途中、氷の弾ける音が極めて高く脳内に鳴る。
「………ッ!?」
脳内を駆け巡った情報は、八百万の意思に反して急に動きを止めてしまった。
手元の画面に映る爆豪と轟は地面に伏せ、緑谷は男に担がれていたのだから。