第3章 狩るもの狩られるもの
「及第点……ってとこだな」
首が凝ったのか左右に2度3度傾けると、真っ直ぐに3人を見据える。
先ほどでは無いが、再び微かなプレッシャーが後方含め5人を襲う。
思わず身構えると楽しそうに男は話始めた。
「初めに親子ってのは間違いだし、そうしてたつもりも無い。
そういった思い込みは直ぐに直すべき悪癖だな。
一方でB組と協力して探りを入れたのは評価できる。
協力こそ情報収集の要であり武器だ。
だか【クロ】だと確信出来ず少々雑さが目立つ。
そんなんじゃ、ターゲットに直ぐ気づかれてジ・エンドだ。
それとイチには【足音】【気配】【違和感】【洞察力】を見る為に大袈裟にやれと指示してあった。
ま、流石に気づくわな。
んで、こっからどうする?当ててやろうか。
今頃、天哉辺りが誰か呼びに行って、他の奴は入口等周りを固めてるんだよな。
ついでに言っとくが、スタンガン位の電力じゃイチには効かない。
お茶子が着てる【絶縁シート】は、もしイチ逃げようとしたら電気の個性で足止めしてする為だろ?
んで、右後ろに隠れてる範太の個性で拘束しようとしてる。
だからこそ巻き添えを出さないための出久達との【その】距離。
慎重ないい案だ。
ただバレたら意味ねぇけどな」
カクンと小首をかしげられ、そして不気味なプレッシャーを浴びて緑谷の額から汗が一筋流れ落ちた。