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とうらぶ 短編たち

第3章 花海棠 にっかり青江


ポカポカ陽気が気持ち良いこの頃。
みっちゃんから手造りおやつを貰って
ルンルン気分で私は自室に戻った。

短刀たちのはしゃぐ声を聞きながら、
陽当たりの良い自室で昼寝でもしようと思っていたんだ。
…思っていたんだよ。

軽い気持ちで障子を開けると
なぜか私の部屋に青江が。
しかも、寝てる。

陽当たりの良い場所で、
畳の上に横になっている、にっかり青江。

色々とつっこみたい事が溢れて口に出してしまいそうになるけど
気持ち良さそうに寝ている彼を起こすのは申し訳ない。

って言うか、自分の部屋で昼寝すればいいのに。
ここ、私の部屋。

心の中で青江に文句を言って
仕方ないから部屋に入る。

昼寝をするためだけに部屋に戻ってきたから用事なんて他に無くて。
陽当たりの良い場所は青江が横になってるから
とりあえず、青江が風邪をひかないように肩にショールをかけてあげた。

青江が寝てるところなんて初めて見たなぁなんて
ぼんやりと観察開始。

キレーな顔してるんだよね。
まあ、これは青江に限った話じゃないけど。
刀剣男士はみんな美人だ。可愛い子も居る。
神様だからなんだろうか、よく分かんないけど。

青江は可愛いと言うよりも美人だ。
口を開くと時々何とも言えない事を言ったりするけど、
それも含めての青江だ。
黙っていれば美人なのに、とも思うけど
やっぱり性格やら言動を含めてこそ、とも思う。

普段は前髪で隠れている片目も
瞳を閉じてはいるけど見える。

無防備に寝てる、青江。



「そんなに僕が気になるのかい?」
じとーっと観察をしていた私は
バチっと視線を合わせてしまった。

「狸寝入りだったの!?」
とてつもなく心臓に悪い、と思いながら青江に聞けば
「君が部屋に入ってきた段階で目が覚めたよ。
ホラ、気配がね」
薄く笑いながら畳に座った青江。

「じっくり見つめられるのも悪くないね」
今度はニコニコしながらそう一言。
私が肩にかけてあげたストールを嬉しそうに撫でてる。

「いや、あの、
…そもそもナゼ私の部屋に居るの?」
根本的な疑問を青江に投げると

「ホラ、いい天気だからさ」

うん、答えになってない。
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