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とうらぶ 短編たち

第10章 苧環 大倶利伽羅


規模の小さな我が本丸において
なかなかの異質っぷりを放っているのが大倶利伽羅。
初めましての時から
「慣れ合うつもりは無い」
と言われてしまい
その時からしばらく経った今でもあまり会話をした事のない男士。
うちの本丸は規模が小さい割に賑やかだと思う。
賑やかというか、みんな仲が良いから賑やかになってしまう
と言った方が正しい気がするけども、
とにかく明るさがウリの本丸だと思っている。
そんな中で大倶利伽羅は無口で一人を決め込んでいて、
唯一彼と普通に会話できるのは燭台切さんくらい。
会話というか、話しかけているだけって感じもするけど。

本丸をまとめる立場の審神者としては
もうちょっと大倶利伽羅に対して威厳のある立ち振る舞いとか
できればいいんだろうけど、
私はそう言うキャラじゃないし、
それに、個性を尊重したいとも思う。
乱ちゃんや清光くんはお洒落好きだから
現代のファッション誌とか取り寄せてみるし、一緒に眺めたりもするし、
燭台切さんや歌仙さんには料理本買ってあげたり、
歌仙さんには句集とか、
私には分からないような難しそうな本買ってたりもするし。
短刀ちゃんたちが庭で遊ぶ道具とか、
山伏さんの筋トレグッズとか、
せっかく顕現したからには、
人の体というものを楽しんでほしいと思うし、
彼らの個性は大切だと思うから、
何の躊躇いも無くお金を使っていたりする。
もちろん、ちゃんと計算してね。
赤字にはならないように気を付けてるから、
時々燭台切さんに
「気をつけなきゃだめだよ」
って言われるけれども、
怒られるような事は一度もない。
それはきっと、皆も私の想いを分かってくれてるから、
だと信じてる。

山伏さんのお話によると
筋トレグッズを大倶利伽羅も使ってるらしいから
私の散財も無駄ではない、ハズ。
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