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とうらぶ 短編たち

第6章 呉藍 巴形薙刀


巴なりに大絶賛してくれた私の化粧は
その他の刀剣男士たちにもそこそこに好評だった。
乱や清光なんかには
普段からしっかりと化粧していれば良いのに、と言われてしまったが。

とりあえず、
目の下に出来てしまった隈には気づかれる事なく一日が終えられそうだ。
お風呂にも入って綺麗さっぱりした気分であとは布団に入るだけ。

流石に今日は夜更かしはしない。
隈退治のために早寝するのだ!
と思っていたのだけれど

「主」
巴がやって来た。

「どうしたの?」
夕飯を食べ終わったら近侍の仕事も終わり。
おやすみって挨拶をして、私の元へ来る事なんて無いのに。

巴は静かに部屋の中へ入ると、私と向かい合うように座る。
「巴?」
「主は夜も仕事をしているのか?」
「え?
まあ、色々と作業してれば夜遅くなる事もあるね」
「では、近侍としての仕事はまだ終わっていないという事だな。
今日は何をするんだ?」
巴は任せてくれと言わんばかりに構えてくれている。

「ありがとう。
だけど、今日はもう寝るよ?」
「そうなのか?」
「うん。
最近夜更かししすぎてるから、今日は早く寝ようと思って…」
「隈が出来ているからな」
「気付いてたの!?」
「ああ。
朝、主の顔を見た時に気が付いた」
「あ、だから夜も仕事してるって…」
「そうだ」
巴は私が思う以上に私の事を観察してくれていたらしい。
巴なりに心配もしてくれてたのかな。

「巴、いつもありがとう」
「いや、俺は側仕えが向いている」
「うん。
それでも、ありがとう」
「ああ」

向き合って座る巴の両手をギュッと握ってお礼を伝えると
微笑みながら返事をしてくれた。

「俺は、主と物語を作っていきたい。これからも」
「うん。よろしくね」

『化粧』
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