第16章 恋に落ちる音【瀬呂範太】
うちの学校の文化祭で声をかけてくれた瀬呂範太くん
出会ってから2ヶ月宣言通りほぼ毎週土曜の午後を瀬呂くんと過ごしている
「着いたよ、と」
優しくて気を使ってくれる最近は慣れてきたのか冗談で笑わせてくれる
そんな彼に惹かれている自覚もある
でも負い目を感じている。瀬呂くんに話してないことがあるから
「ごめん、お待たせ」
「んーん」
呼び方も さん付けから呼び捨てと くん呼びになったし私も大分言葉を崩して喋れるようになった
「終わるの俺の方がおせーしやっぱ迎えいこうか?」
「ううん、遊ぶ所こっちの方があるし往復させるの申し訳ないから」
「ならいいけど…今日はどこ行こうか」
「うーん体動かしたい気分かも」
「んーラウワン行く? 」
「行きたい!」
ラウワンのバスに乗りこみ暫く揺られると目的に着く
「瀬呂くん大変だ」
「ん?なにどした?」
「私、スカートだ体操着持ってきてない」
動く気満々でここまで来て運動着を持っていないという失態
瀬呂くんに付き合わせたのに申し訳ない気持ちになっているとクスクスと笑い声が聞こえる
「そんな絶望みたいな顔しなくても、ふはっ」
「いや、でも流石にパンツ丸出しでやるわけには…」
「杉谷さえ良かったら俺の体操服貸すよ、着てないし汚くないよ」
「え!いいの!」
当初の目的を果たせそうで思わず声が大きくなる
「ん、着替えてきな」
私は1人トイレの個室で制服から瀬呂くんの体操着に着替える
雄英の体操着が大きいサイズなのか同じLサイズでも大きく感じる
「お待たせ」
「いーや、、ってスボン大きいね」
「何回か上は折ったんだけどだけど」
瀬呂くんはスっと膝を着くと体操着の裾をパタパタと折っていく
「キツくねえ?」
「大丈夫。ありがとう」
「ん!落ちるだろうけどやんないよりマシでしょ。んじゃ、行こっか」
「うん!」
ダーツにロデオ、ミニボーリングにバスケにバドミントン室内をいいだけ回って外に出るとアーチェリーをみつけた
「瀬呂くん!アーチェリーあるよ」
「教えたげよっか」
「やった」