第11章 かっこよく思われたくて【上鳴電気】
ベースを持ってきたのはいいが文化祭の雰囲気を楽しめる気がしなくてリビングの椅子に座りテーブルに項垂れている
(折角の文化祭、楽しいかったな、ミスなかったし、興奮した)
ステージのことを思い出してはさっきの上鳴が頭をよぎる
(楽しそうだったな、あの子といい感じになるのかな付き合ったりするのかな)
「はぁ、、」
「ため息?」
「!!! 上鳴、音もなく入ってくんなよ」
「そんなつもり無かったけど、、周りの音聞こえんくらい考え事してたん?」
「いや。別に。なんでもない。、てかなんでいんの?」
「耳郎にきいたら杉谷がここにいるって聞いたから、迎えに来た!」
背負っていたギターを下ろしてソファーにもたれさす上鳴
「なんで?」
「いや、文化祭まだまだこれからだろ!まわろーぜ!」
グイッと私の腕を軽く引っ張る上鳴、立ち上がってそれを振り払う
「、、ごめん。なんか気に触ることした?」
心配そうに私の顔色を伺う
「…さっき可愛い女の子に声掛けられてたじゃん。その子とまわれば?
そもそもモテたくてギターやってたんだし、万々歳じゃん?
私は心操とか誘ってタラタラ見てまわるし気使わなくて大丈夫だから」
自分の言葉が嫉妬からの八つ当たりだと分かっていて余計にイラつく
「じゃあ。」
上鳴の横を通り過ぎようとするが右腕を掴まれて上鳴の少し後ろで立ち止まる
「俺は杉谷とまわりてぇんだって!、、そりゃモテたいって気持ちもあったけど、一番は杉谷にかっこいいって思われたくて。それに部屋見た時ベースあったからもしかしたら一緒にできるかもって思って。。それ言ったらキモがられると思って誤魔化したけど、、、」
珍しく真剣な表情で自分の気持ちを伝えてくれる上鳴。最後の方は気まずくなったのか目線を逸らしたけど