第10章 約束【クルーウェル】
研究室に着くなり先生は資料の片付けを始めた
(クルーウェル先生相変わらずキレイだな、所作とか姿勢とか好きなんだよなぁ)
「...!監督生」
「?せんせ?」
ソファーの上で寝ていたらしく先生に揺すり起こされる
「放課後だ、皆も心配している寮に」
「先生。私、帰りたくないんです」
先生の言葉を遮って発言する
「あそこは不便なことだらけだろうが、」
「そうじゃなくて、元の世界に。、です。」
先生はゆっくり隣に腰を下ろして私の頭を優しく撫でる
「何があった」
「...私あっちの世界で何も上手くいってなかったの。友達はいないし趣味もない、両親の顔は何年もみてない。毎月お金だけ置いていってその後もちょくちょく帰ってきてるみたいだったけど私とは顔合わせたくないみたい。不倫して出ていったお父さんの顔に似てるんだってぶたれた事もあったし。。
何もかもどーでも良くなった時にこっちの世界に来た。魔法とか使えるし、皆私に絡んでくるし、オバブロとか言ってこちとら生身なのに死にかけるし、、、でもエースもデュースもグリムも友達だって思える様になって楽しいのに心が上手くいかないの。
顔も声も忘れかけてる親を思い出す度に心が病む
帰りたいって言わないと自分が正常じゃないみたいで…そう思われるのが怖い。
何もかも嫌になってる。
助けて……先生」
「千鶴こっちにおいで」
私は言われるがまま先生の胸の中に顔を埋める
「大変な思いをしてきたんだな、いつも笑顔で頑張ったな」
優しく私の頭を撫でる先生の手が温かくて涙が溢れていた
「んっ。ごめんなさい。。我慢できなくて」
「千鶴いいんだ。もっと甘えなさい、俺達は大人なんだから君達子どもが甘えられる場所なんだよ」
「うん。。」
私の涙が止まるまで先生は頭や背中を優しく撫でてくれていた
そして今日は寮に帰らず研究室のソファーで私が寝るまでそばに居てくれた