第8章 にがくてあまい【爆豪勝己】
誰もいなくなったA組で今日出された課題に挑戦しているが、いい加減先生に聞きに行こうかなと考えていたところにタイミングよく見回りに来た担任に声をかける
「杉谷まだ残ってたのか。さっさと帰れ」
「あ、相澤先生!!数学教えて貰ってもいいですか?」
相澤先生は嫌そうな顔をして私の席の前に座る
「俺は数学の先生じゃないんだがな」
「まぁ、そう言わないでくださいよ。可愛い生徒じゃないですか」
「ここの代入が違う」
少し猫撫で声を出すも無視され間違いを指摘され直す
「そう、これは足し算が違う。ケアレスミスが多いちゃんと確認しろ」
「うわ、ホントだ。なおしまーす」
「語尾を伸ばすな。それ終わったら帰れよ」
相澤先生は丁寧に椅子を元に戻すと窓だけ確認して教室から出ていった
「はい」
課題をいそいそと終わらせ教室を出た
(学校から寮までこんだけの距離って素敵だ。
早くあったまりたいなぁ。)
吐いた白い息が上に消えていくのを少し立ち止まって見上げ、あの夜のことを少しだけ思い出した。
少しばかり積もった雪を踏んで寮に帰った