第5章 綺麗な音【我妻善逸】
(10分前か丁度良い感じに着いたな)
映画館の入口の横にあるベンチに腰掛け善逸からの連絡を待つ
〘どこにいる?〙
〘横のベンチのとこ〜〙
反対側から来た善逸には死角になっていたらしく見えなかったようだ
「中に入ろっか」
こっちに来た善逸と一緒に中に入る
飲み物とポップコーンを買って指定された席に座り映画に集中する
海外の推理アクション映画は面白かったけど、善逸がこーゆう映画を観るのは正直意外だった
「面白かったね〜」
「だな、でも途中で犯人分かっちゃったからな」
「え、凄い」
「善逸は苦手そうだもんな」
「うるさいよ、!それよりご飯どーする?」
「あ〜なんでもいいけど」
小スペースで感想とご飯の相談を済ませ、近くにあるハンバーガー店に向かうことにした
そこで、善逸からもう少し遊ばないかと言われ、特にすることも無いので遊ぶ事にした
行き先はまさかの水族館。完璧にデートコースなのだが、、、まぁどうしてもらしいので大人しく着いていくことにした
「善逸は水族館好きなの?」
「...うん、小さい頃連れてきて貰ったんだ。でも男だけで行くのはしんどいし」
「...そっか。まぁあたしも好きだけど」
でも流石休日の午後。カップルや家族で混んでいる。
人の流れに乗るように次々と水槽を見て進む
(あ、クラゲかわいい)
「なぁ、ぜんい...やべやっちまった」
自分が気になる事があると周りも見ないで行動してしまう悪い癖が出てしまい善逸を見失ってしまったのだ
──────────初めて善逸と喋ったのは中等部2年の時。席替えで隣になった。あたしは元々人と関わるのが好きじゃなく休みの時間はいつもイヤホンで音楽を聞いていた。
その日はなんとなく気分で小声で歌を口ずさんでいた
「それ俺も好きなんだいい曲だよね」
最初はなんだこいつって思ったけど曲の趣味が合うようで、すっかり話すようになっていた
「初めて聞いた時から思ってたけど千鶴の声って綺麗だよね」
「そんなことないでしょ」
「あるって!てかかなり聞き取りやすいんだよね、どこに居ても聞き取れる。ほら俺かなり耳がいいから」
あの時の笑顔で自分の気持ちに気づけた
(なんで今思い出してんだろ...)
善逸を探す為動かしていた足が自然と止まり立ち竦んだ