【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
「リヴァイなら大丈夫だよ」
「・・・分隊長・・・」
サクラの気持ちを汲み取ったのか、ハンジが声をかけた。
「それに、こちらものんびりもしていられそうにない」
ゴーグルの下の瞳を鋭く光らせる。
ハンジは素早く周囲に目配せをしながら、置かれている状況を把握しようとしていた。
荷馬車援護班を襲った巨人はリヴァイに任せたとして、奇行種はどうする?
現在、得ている情報から推察するに、ヤツは隊列の先頭・・・すなわち、ここを目指している。
脚の速度は分からないが、直線距離と平均的な巨人の速度から割り出しても、あと数分で追いつかれるはず。
捕獲器を持ってきていない以上、戦うしか道はない。
ハンジは腹を括った。
「エルヴィン」
今、ここにいるのはミケ班とハンジ班。
どちらかが応戦しなければならない。
「まだだ」
ハンジの言おうとしたことを先読みしたのか、エルヴィンが制止する。
「まだ、不確定要素が多すぎる。性急に判断するべきではない」
「・・・・・・・・・・・」
しかし、その猶予はすでに無かった。
すぐそばで黄色の煙弾が上がる。
直後、大きな地響きが鳴り始めた。
「団長!! 奇行種です!!」
モブリットが叫ぶ。
それは分厚い脂肪に覆われた、10メートル級の巨人だった。
後ろに6メートル級、8メートル級の巨人を引き連れてきている。
「3体か・・・」
司令部まで侵入されているということは、後方は ほぼ壊滅したのだろうか。
いや、奇行種がここを目指して真っ直ぐ来たとしたら、被害はそれほど大きくないのかもしれない。
それでもここがやられたら、調査兵団は頭をもがれたも同然だ。