【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第6章 Untainted, Unbroken ※
気がつくと、サクラは広い荒野に立っていた。
見渡す限り、枯れた草と岩しかない。
山も、湖も、木も見えない。
空を見上げると、厚い雲に覆われて太陽も星も見えなかった。
風も、音もない。
生命を一切感じさせない、世界。
ここは壁の中なのだろうか。
人間は・・・巨人はいるのだろうか。
孤独で、息が詰まりそう。
でも、何故だろう・・・?
この場所を知らないはずなのに、どこか懐かしい。
いや・・・懐かしいというよりも、ずっとここに来たかったような感じがする。
サクラはゆっくりと歩き始めた。
踏み潰される草の、乾いた音が響く。
どこまで行っても変化は無かった。
「きっと、この世界のどこかに・・・・・・」
何があるのか・・・誰がいるのか・・・
わからないけれど、探さなければいけない。
「見つけてあげなければ」
サァッと優しい風が、サクラを後押しするように吹いた。