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α派について

第4章 夏前の冷たい風


一口頬張りながら考える。KAITOはこのアイスに手を出さなかった事にも引っかかった。

いつもだったら見つかった瞬間に「暑いからってアイス食べてると腹下すぞ!僕が処分するから。いや、別にアイスが食べたくて催促してる訳じゃないかんな!アルファの事を心配もしてないけど、目の前で腹痛になられても困るんだよ。だから、そのアイスちょうだい」って大体言ってくるはずなんだけど・・・。

そんな事を考えていると、アイスを食べ終えてしまった。
 自分の部屋でパソコンに向かう。そういえば最近、パソコンばっかしてるような気がする。
キッチンにいるとどちらかが覗きにくるし、居間にいれば二人が喧嘩しているのを見ることになるし。

別に、会うのが嫌ってわけじゃないんだけど・・・キッチンに覗きに来たときは何かしら食べられて文句をたらたらで、居間だと必ず甘党か辛党か質問されるし・・・。

 それに最近はKAITOが私の事名前で呼ぶし・・・。思い出しただけでも顔が熱くなっていく。
好きな人に名前で呼ばれるってこんなに嬉しい事なんだといつも驚いている。
そんな事を考えている時に、コンコンっという音がした。
一瞬何の音だかわからなかったが、ドアの方を見て私はドアをゆっくりと開けた。
そこにはAKAITOが立っていた。私は思わず閉めてしまった。
「え?ちょっと??マスター???」
ドアの向こうで叫び声が聞こえる。AKAITOは少し苦手だ。ナルシストっていうかキザっていうか変態っていうか・・・とにかく、あまり二人っきりではいたくない。
「そんな事をしていると、(ドア)蹴り上げちゃうよ?」
冗談だと分かるけれど、なんだかやりかねなくて怖い。私は「やめて!」と叫んだ。
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