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α派について

第4章 夏前の冷たい風


ドアを思いっきり開けようとした、その時だった。

ドアノブに触れている私の手の上がほんのり冷たい。見ると、手の上に青白い手が見える。
私は「ひゃあ!」と悲鳴を上げて後ろに下がってベッドの上に座り込んでしまった。

ドアの近くには頭は黒というより紫色で所々破けたロングコートを羽織り、右目に包帯が巻きつけられていて・・・というか体中所々包帯で巻きつけられている。
一瞬幽霊か何かだと思ったが、ここまで少しホラー要素のある方だと思わなかった。

彼はKAITOの亜種の帯人。ヤンデレで有名な危ないキャラだ。背筋が凍る。
というか、いつの間に私の部屋にいたのだろう。

「え?マスター?どうしたんだい?」
ドアの向こう側でAKAITOが心配そうに言う。
ガチャリと帯人がドアを開けた。AKAITOの顔がちらりと見える。
次の瞬間、シュッと帯人がAKAITOに殴り掛かった。AKAITOはびっくりして交わした。
その衝撃でドアが完全に開く。AKAITOの頬から血が流れている。
私の体がぞわぞわと鳥肌が立った。帯人の手にはきらりと光るアイスピックがあった。
AKAITOが自分の頬を触り自分の血を見て「うわー!!」と悲鳴を上げて気絶した。
私も人の事は言えないが、気絶は大げさだろうとか、思ってしまう。
 私はベッドから立ち上がり、恐る恐る帯人に近付いた。
それに気づき帯人が振り返る。頬をピンク色に染めてにっこり笑った。

「マスター」
さっきまで殺人鬼のような顔とは全然違った顔で、きゅんとなってしまう。
そしてそのままギュッと抱きしめられた。
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