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α派について

第3章 マスターって言ってほしい


「いた!探したんだからな!」という聞き覚えのある声がする。KAITOだった。
「KAITO?なんでここに?」きょとんとしてしまう。

KAITO達は家から出られないと勝手に思っていたからだ。KAITOは私の質問を無視して私の手を触る。
「冷えてんじゃん!何考えてんの?こんな時間に外で座って!!」
大声で怒鳴られてしまった。機械のはずのKAITOの手が暖かくて、なんだかホッカイロでも握っている気分だ。
私はKAITOの手にもう片方を乗せた。

「暖かい」

目をつぶりながらそう呟くと、少しビクッと手が動いた。
「そりゃ僕機械だけど一応生きてますから、あと寒い所にいたブスの体調管理も少しおかしいし・・・てか、質問に答えろよ!」
KAITOが少し早口で文句を言っている。なんだか照れているみたいだ。

「星がね、凄く綺麗なの」
私がそう言いながら上を見上げた。KAITOが黙り込む。多分一緒に見上げてくれているんだろう。


「家に帰らないのか?」
暫くしてKAITOがつぶやいた。横を見るといつの間にか隣に座っている。

「別に、俺は帰ってこなくていいと思うけどさ、ブスがいたってなんも変わんないし・・・」
また、ブスって呼んだ。心にヒビが入る。

なんでだろう・・・ずっと言われていたのに、前以上に心が痛い。視界がぼやけていく。

「あのさ・・・」
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