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Eve innocence 【D.gray-man】

第10章 黒い背中と黒い足




目覚めてからずっと
子守唄が聞こえる…



悲しい悲しい…


鎮魂歌??



中々動かせない身体を
上半身だけ動かし
周囲を確認した。



帽子を被った女の子と
顔はあまり見えないが
男の人が女の子の膝に横たわっていた。



女の子は男の人と話して
こちらに女の子が向かって来た。


「貴方は私達を捕まえに来たの?」



「えぇ。私達は、捕まえるというか奇怪現象を起こしているイノセンスを回収に来たの。このままだと、悪魔に狙われてしまう。」


「…だめよ…まだ…だめ。」

悲しそうな顔をする彼女。



「何か問題があるの?」



「聞いてくれるの?」


それから、マテールの街の過去と
先程出会ってから弱っている
男の人の事情を聞いた。


彼女の名前はララ
男の名前はグゾルという。


グゾルは相貌が昔から悪く
周りの人間からいじめを受け
さまよっていた時にララと出会った。


ララはマテールの街に人が
いなくなってからも歌を歌い続けていた。

そんな時グゾルに出会い
歌う事を許して
歌う事が存在理由であったララに取って
これ以上の幸せはなかった。


しかし、グゾルは人間。
人間として終わる時が近づいており
その瞬間まで歌う人形として
いさせて欲しいとの事だった。


「…お願い。最後まで見届けたら、あなた達にこのイノセンスは渡すから!」


「私は、その願いを聞いて上げたい。だけど、見ての通り私は身体も上手く動かせない役立たずよ。約束は難しいわ。」



「…そう。貴方も大変なのね…」


するとグゾルが起き上がり、
「一緒に来て。手当てして上げるよ。」

「グゾル!!大丈夫なの?」


「大丈夫だよ。今調子がいいんだ。さぁ。」



2人は動かない私を手伝い、
少し離れた小さな部屋に移動した。
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