Eve innocence 【D.gray-man】
第10章 黒い背中と黒い足
私は街が冷え込む中、
少し与えられたパンの一切れと
干し肉を、少しかじりながら
後片付けを行った。
「さて、そろそろテントに戻って寝ないとな。」
少し離れたテントに戻り
相変わらずテントには入れて貰えず
外で暖をとって寝ることにした。
「…さむ。」
こんな生活も慣れたもんだな…
まだ、食料があるだけいいか。
知らないうちに眠っており、
気づけば外は明るくなっていた。
「今日も頑張ろ…」
いつもの様に朝ごはんの支度や片付け
テントを畳んでみんなが任務に出た後に
あとを追いかけた。
3人は私が言った時何か話し合っているようだったが、私が着いた途端に
話を逸らして別の話をし始めた。
しかし、ミカの表情は少しだけ笑みを浮かべていたのを見逃さなかった。
私は何かある事を危惧しながら
構えていた。
すると…
「ねぇ、あんた昨日アクマの声が聞こえるって言ったわね。私達は優秀だから死ぬ訳には行かないの。以前、その汚い背中で庇ってくれたみたいに、今回も囮としてアクマを探して時間を稼いでくれないかしら?」
と、ミカが言い始めた。
するとリンダが続けて
「エクソシスト様が来たら、ちゃんと向かわせるからさー。ね!お願いー。」
(ここで拒否しても無駄だろうな。)
「分かったわ。じゃ、調べて来る。」
「よろしく〜♪♪」
そして、後ろを向いて進み始めた時だった。
【ドカッ⠀】
鈍い音が頭部に響きそのまま意識を失った。
リンダは笑みを浮かべ
「クスッ。なんでお前みたいなクズが、アレン様と仲良くしているのかが分からないわ。」
「ほんとに、ムカつくわよね。二度と会えないようにしてあげるわ。ジョージ、運んで見つからない所に捨てて来てぇ〜。」
ミカはジョージにお願いしていた。
ジョージはイブを縄で縛り
引きずりながら捨てに行くのであった。