Eve innocence 【D.gray-man】
第10章 黒い背中と黒い足
マテールの街に着いた
この街に入ってから
やっぱり子守唄の様な歌が聞こえる。
〜♪♪
優しい音楽…
でも、何故か悲しい。
そんな音楽に耳を傾けながら
マテールの街を進んでいった。
教団の図書館で見た
元々はたくさんの人と歌を歌う人形で
溢れていたマテール
年々人口が減り、
残された人形達は、独りで歌を唄い
たまに訪れる人を驚かしていたという。
【ジャリ…⠀】
「着いた…」
そこは人1人いなさそうな場所であった。
「うわぁー、あからさまに何か出そうな場所ね。気味が悪いわ。」
リンダは着くなり、そう言った。
「ちゃっちゃと終わらして帰りましょう。」
【ギィィィイィギィ】
歌声ではなく機械音が聞こえた。
これは人形では無い。
「まってください。何か変な音がする。」
「は?俺は何も聞こえなかったぞ?俺たちを驚かそうとしてんのか?ばーか。無駄だぜ。」
ジョージは冷静を装っていた。
「…空耳だったかもしれないわ。」
【でも、確かに聞こえたわ。
注意しないと。⠀】
私達はマテールの街の外側から、
中の状況や、地形等を調べた。
マテールの街は恐らく、
地面に空気が吸い込まれたりしており
地下があった。
水や食料は持って来ないと難しい。
もし、アクマがいたら
建物が多く身を隠しやすく
アクマも隠れやすい。
そして、子守唄と謎の機械音が聞こえる
ぐらいの情報であった。
半日かけて調べ、
教団に情報を送った。
この後にすぐ、
ファインダーとエクソシストの応援が来るとの事だった。
とりあえず、タリスマンを発動し
結界を張りながら
まとめ作業をすることになった。
私はというと、
私の実績になることはさせないと
作業なんかさせて貰えず
彼らのご飯を作っていた。
もちろん。タリスマンの外で…
(許さない…)
食事をせっせと作り、
夜になっていた。
食事も終わり1人で片付けている時に
ふと、アレンの事を考えていた。
明日まで頑張ればアレンが来てくれる。
そしたら、嫌な事されても平気になるはず。
早く来て…アレン…