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舞う羽は月に躍る《ハイキュー‼︎》

第2章 はじまりの土曜日



「カナ、」


それにしても、蛍は相変わらずの負けず嫌いだ。
蛍がイマイチバレーに積極的にならない理由の一端だろう私が言うのも何だが、「たかが部活」とか「運動部は内申に有利」とか言ってるのに、結局、小学校から蛍はバレーを辞めてない。バレー以外の運動部にも入らない。
負ければ悔しそうだし、自主練は兎も角、通常練習をサボりはしない。
バレーが嫌い、とも言わない。
だからといって、蛍の背中を押すのは私じゃない気がするから、今はこのままでいい。


「カナってば!!」

至近距離で顔を覗き込まれ、思わず仰け反った。

「わっ、どうしたの?蛍」

すっごく大きなため息をつかれた。………失礼だな。

「『どうしたの?』じゃないよ。この人どうにかして」

この人、ていうとこれか。蛍と握手をしようとピョンピョン跳ねてる日向くん。

「握手くらいしてあげればいいのに。減るもんじゃないし」

めっちゃ睨まれた。怖くないけど。
結局、日向くんの反射神経に負けて握手をした(させられた)蛍の元にやってきた澤村先輩。
減らず口を叩く蛍に対して、
「ちゃんと本気だったじゃん」と言ったのを聞いて、ほっとした。
烏野バレー部の精神的支柱で、副主将の菅原先輩と並ぶ器の広さ。菅原先輩は優しくて、親身になりすぎる面もあるけど、澤村先輩は安定感と信頼。

いい先輩たちだな。

「羽奏ちゃん」

潔子先輩(ここ数日で名前呼びになった)に呼ばれて、部室に置いてある段ボールを取りに行く。
そんなに重くないけど……、

「これ、中身何ですか?」

「ふふっ、内緒。開けてからのお楽しみだよ」

潔子先輩、本当に美人だし、普段クールビューティなのに笑うとすっごく可愛い。

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