第2章 はじまりの土曜日
さて。
「うほおおおお!!!」
ジャージでした。
約2名のテンションが一気に上がる。
先輩たちに突っつかれてジャージを着る蛍は面白い。含み笑いをしながら自分の分のジャージを着てみると、
「………やっぱり大きいなぁ」
学校指定のジャージもだったけれど、ギリギリ150㎝の私には、ジャージの袖がダボつくのだ。萌え袖、といえば可愛く聞こえるけど、
「蛍、袖めくって」
部活には邪魔だ。
「はいはい。ほんとチビだよね」
手慣れたように私のジャージの袖を何回か折る蛍は、事実手慣れている。
中学の時の学校指定のジャージ、部活ジャージ。でもって高校の学校指定のジャージ、そして今。
「おっきい人にチビの気持ちは分からないんですー。色々不便なんだからね!」
そう。電車やバスの吊革とか、黒板消しとか、服のサイズとか、日常生活でも、ある程度の身長は要求されるのだ。
そんな訳で。
「これから、烏野バレー部としてよろしく!」
よろしくお願いします!