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舞う羽は月に躍る《ハイキュー‼︎》

第2章 はじまりの土曜日



「これ、持ってて」

そう言って蛍から投げ渡されたトレーナーを抱きかかえながら、私は目の前の試合に釘付けになっていた。
いや、目の前の試合というより、日向翔陽と影山飛雄の速攻。
日向くんのスピードとバネは勿論すごい。何も考えずに跳んで、最高到達点331㎝ってとこか。日向くんの場合は、スピードも合わせたジャンプが重要になってくるから、一口に、充分な助走から真っ直ぐ上に跳ぶ最高到達点がどれだけ、といったものに価値があるとは言えないけれど、意識したらもっと跳べるんじゃないかなぁ。信じるって言って、精々コンビ?を組んで1週間程度の相手のトスを目を瞑って全力で打ち抜くなんて出来ない。バカっていうかなんていうか。
目を瞑った日向くんが全力で跳ぶ位置、タイミングドンピシャでトスを上げる影山くんも充分な技術だ。伸び代もまだまだありそう。
去年の全中での自己中っぷりのお陰か、随分丁寧なトスを上げるようにはなったようだが、一方で打たせてやってる、という潜在意識もある。
………まぁ、現段階として考えるには、充分な武器になるだろう。
『変人速攻』と蛍は言っていたが、ずっと一緒に練習してきたコンビなら兎も角、試合すらはじめて一緒に出る2人がやるのだから、そりゃあ2人とも変人の部類だろう。若しくはバレー馬鹿、天才。

2、3年生も中々の実力者だ。
主将の澤村先輩は、安定したレシーブ。バランスもいいけれど、もう少しスタミナが欲しいかな。でもって、澤村先輩がウィングスパイカーだから、リベロはかなり優秀なんだろう。
2年の田中先輩は、パワースタミナ充分。煽り属性といい精神的に強いことといい、エースの資質はある。身体柔らかいみたいだから、もう少しスパイクの手札を増やせるんじゃないかなぁ?
3年の菅原先輩は、試合見てないから詳しくはわからないけれど、セッターとしての視野と頭脳はある。影山とポジション争いになっちゃうけど、セッターとしての種類はかなり異なるから、そのギャップを上手いこと使って………



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