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舞う羽は月に躍る《ハイキュー‼︎》

第7章 迷える子羊


みーんみんみんみん

東京駅で新幹線を降り、電車とバスを乗り継いで1時間弱。漸く、お目当ての病院に到着だ。
病院の周りを囲むように植えられた木々ではセミが騒いで煩いくらいだ。
夏だなぁ。

「東京といえど、ちょっと駅から離れると宮城と変わんないよね」

懐かしの病院を見上げて呟く。
かなりの規模を誇る病院は高さもあり、広さもある。何回か訪れてなければ、迷っていたこと間違えなしだ。

迷わなかったので一安心。
うんうん、慣れって重要だよね。


受付を済ませて、病室に荷物を置いて、軽い身体検査を済ませて病室に戻ると、

「あら、新しい人?」

優しそうな女性がいた。
プレートによれば、同室の赤葦さん。
私の病室は4人部屋だけれど、名前が入っているのは私と赤葦さんだけ。

「はい。今日から入院しました七瀬です。よろしくお願いします」

膝が吊られているということは、手術の後なのかな。

「赤葦です。よろしくね」

優しそうな赤葦さんは第一印象そのままに優しかった。


にしてもだ。

「……リハビリが辛い」

分かってはいたけれど。

事前検査を経て手術。手術自体は全身麻酔だし、麻酔導入のとき以外は痛くも痒くもなく、寝てる間に終わっていたけれど、全身麻酔後の倦怠感はどうにもならなかったし、少し身体が動かせるようになれば早速リハビリである。
最初はベッドの上で介助されながら足を曲げたり伸ばしたり。次は、立ったり座ったり。それが出来たら平行器を用いて歩行訓練。

運動ともいえないくらい、簡単な運動しかしていないのに、毎回リハビリが終わる頃には汗だくでぐったり。手術して筋力が落ちているからとはいえ、酷い有様だ。
ぐったぐたなままシャワーを浴びて、看護師さんに車椅子を引いてもらって、病室に戻ってバッタンキュー。

いやホント疲れる。
早く休んで明日に備えなければ!←これは、使命感である。
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