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舞う羽は月に躍る《ハイキュー‼︎》

第7章 迷える子羊



「ん?」

のはずなのだけれど、クタクタになって病室に戻ったら、知らない男性が病室にいました。

………不審者?

ぺこりと会釈されたので、会釈を返す。
イケメンだな。
グレーのブレザーに黒のズボン、斜めストライプの青のネクタイ。どこの学校だろう?

「京治、来てたの?」

赤葦さんもリハビリから帰ってきたのだろうか、歩行器をベッド脇に置いて座り、話しかける。
成る程、赤葦さんの息子さん。

「来てたの?って、飲み物持ってきてって、部活帰りの息子をパシらせたの母さんだろ?」

そう言って彼がエナメルバッグから取り出したのは新発売のアップルティー。

「これこれ!飲みたかったのよね!
で、彼女が羽奏ちゃん。この前話したでしょ?息子の京治。高校2年だから羽奏ちゃんの1つ上になるわね」

「…あぁ。赤葦京治です。母がいつもすみません」

赤葦さんは天真爛漫な感じなのに息子さんは達観しているというか、無気力というか。蛍に似てるな。

「そんなことないです。七瀬羽奏です。えっと、赤葦さん、」

「『赤葦さん』って母さんと被りますよね。名前でいいですよ、羽奏さん」

……名前。

「……京治さん?」

「………」

なんだか、

「新婚さんみたいねー!ぎこちなさが良いわ!」

思ってること言われた。
てか、これ、どうやって対応すれば良いの!?

「母さんやめろよ」

クールだな。

「流石に違和感あるんで、京治先輩にしときますね」

うん、『京治さん』はちょっと。

「わかった。
じゃ、明日も部活あるし、俺そろそろ帰るから。羽奏さん、またね」

「『またね』、です」

うっわうっわうっわ。
クール系イケメンの微笑みの破壊力やばい。
普段無表情だからこそ、というか何というか。蛍に似てるって思ったけど、蛍は京治先輩みたいに、他人に邪気のない微笑みしないもんな。
顔立ちが綺麗な分、少し微笑んだだけなのに、ホワッと心臓が浮いた気がした。


寝よ。
ドキッ、なんていらない。
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