第7章 迷える子羊
潔子先輩と新マネージャー探しをしたり(「羽奏ちゃん、分析とかやってくれてて忙しいから、私が引退した時に負担が大きくなっちゃう」って優しい!!)、
部活前後に、日向くん影山くんの勉強会をして珍解答にビックリしたり("鬼の目にも金棒"って鬼、絶対泣くと思う。物理的な痛みで)、
もちろん練習したり、
新マネージャーの谷地仁花ちゃんがやって来たり(私より小ちゃい!)、
練習試合したり、
色々あったみたいだけど、仁花ちゃんが正式入部したり(名前呼びの許可をもらった!)、
つまりわちゃわちゃしてたんだけど、
「手術、ですか?」
月に2回の定期検診の日、担当医の先生が提案してきた。
「そう。
今日の検査結果見てみたんだけど、大分回復してきてる。手術すれば、七瀬さんの足、もうちょっと動かせるようになるよ。そうだね、軽めの体育の授業くらいなら許可が出せるようになる」
軽めの体育の授業が出来るようになる。
今現在、ほぼ全ての体育が見学、レポートとペーパーテストで補っている私には有り難い言葉だ。
「手術、どのくらいかかりますか?」
「手術して、リハビリもするから、2週間は入院が必要かな」
合宿前半は行けなくなる、と。
そうやって手術して、リハビリしたって、軽めの体育の授業程度の運動しか出来ないのか。
いや、とっくの昔にわかってはいたけれど。
それなのに手術する意味って何?
「…すみません、少し、時間ください」
それ以上の言葉は言えなくて、私は答えを保留した。